実践研究レポート

新刊書『組織は変われるか』発行のお知らせ
2017.11.24

このたび、12月13日に英治出版より、『組織は変われるか-経営トップから始まる組織開発』を上梓させて頂きます。主に日系企業において実践してきた、17年間の試行錯誤の結果をようやく一冊の本にまとめることができました。刊行にあたり、AGC旭硝子の島村CEO、南山大学の中村和彦教授から、推薦のお言葉を頂きました。

 

本書では、架空の企業におけるストーリー形式で、リアルな組織開発を実践する上での要諦をまとめてみました。企業内研修とは異なり、組織開発を実践するには、キレイごとでは済まない場面に遭遇します。これまでの翻訳本や研究書とは異なる角度で、組織開発の実態に迫ることを意識しました。経営企画や人事の実務家の傍らに置いていただけるような本となって、日系企業の競争力向上にお役に立てれば幸いです。

経営幹部による対話合宿
2017.02.07

久しぶりの投稿になります。
ここ数年、経営幹部の対話合宿をファシリテーションさせて頂く機会が急激に増えてきました。
個人的に合宿ブームだと騒ぎ立てていたのですが、特定の経営幹部のエグゼクティブ・コーチングを
入口に、幹部全体の対話合宿につなげるケースが多くなってきています。特に組織変革を進める際には、
まず幹部による対話合宿を実施することで、変革気運が高まり、確かな手ごたえを感じています。

いつか実践組織開発として本にまとめたいと考えていますが、現時点で公開できるのは以下のような
展開イメージです。

 

①経営トップによるコミットメント
②変革気運の醸成 ⇒ 役員による対話合宿
③変革事例の創出 ⇒ 部長層への働きかけ
④変革事例のヨコ展開
⑤仕組み・制度への落とし込み

 

これまで③を個別に支援することが多かったのですが、昨年夏からの某大手メーカーの経営企画部の
皆さんとの取り組みの中で、①~⑤までの一連の流れとして構造化できるようになった感があります。

「経営トップから始まる組織開発」の全体観というところでしょうか。

ファシリテーターとして合宿当日の真剣勝負は勿論ですが、尊敬できる経営トップと熱心な合宿事務局
との事前事後の協働作業は、苦楽を共にする同志のような感覚をもたらしてくれます。

孤独な独立系コンサルタントにとって、エグゼクティブ・コーチングと組織開発ファシリテーションが
統合される幹部合宿は、まさに仕事の醍醐味であります。

一橋ビジネスレビューに寄稿しました
2016.03.13

2016年春号の「一橋ビジネスレビュー」(東洋経済新報社)に、「経営を読み解くキーワード」というコラム欄に、『対話型組織開発』を寄稿しました。対話型組織開発が広がりを見せていますが、その帰結(成果)はどうしても曖昧なものになりがちでした。今回のコラムでは、対話型組織開発が経営人材の発掘につながる点を書いてみました。寄稿の機会をいただきました、軽部先生(一橋大学イノベーション研究センター)に感謝申し上げます。

カリスマ経営者の凄味
2016.02.12

 売上げ2兆円企業のカリスマ経営者が自社の幹部候補生に講話するセッションに立ち会う機会がありました。これまでもお話を伺ったことはあるのですが、改めてカリスマ経営者の凄味に触れました。その凄味はどこから来るのか?これまでの修羅場経験、その決断力と実際の業績など、経験に裏打ちされた言葉の重みが圧倒的に違います。痺れました。
 少し時間をおいて振り返ってみると、その凄味は、「矛盾を抱えている器の大きさなのではないか?」と思い始めています。緻密さや冷静さが求められる事業戦略に対し、戦略を実際に実行する際に求められる組織マネジメントは情の世界です。この相反する二つの世界をカリスマ経営者は一身に抱え込んでおられる。「組織は戦略に従うのか、組織が戦略を作るのか?」これは経営学では永遠のテーマです。つい浅はかな循環論法で思考のジレンマに陥りがちな受講生たちに対し、カリスマ経営者は「夢・志」という時間軸の中で、経営上の矛盾を自ら制御されている。矛盾の中に立ち続ける姿は、”風に立つライオン”のような風格です。
 スキル、理論、理屈を超えたところに立っている経営者に触れることは、受講生が自己変容する際の刺激になります。その姿から発せられる”熱量”が人を変える。その瞬間に立ち会えたことに感謝です。自社の経営者が自ら幹部候補生に語りかける。自身の心情を語る。これこそが一番の後継者育成なのだと思います。

誰がその戦略を実行するのか?
2015.11.07

 今年度は例年にも増して次々世代経営者候補を選抜するための研修(ファースト・トラック型)を引き受けています。そうした研修の核心は、経営トップとご一緒に、その会社独自の選抜基準を作り込む点になります。これまでの会社の勝ちパターン、組織風土、今後の市場の動き、等を見据えながら、次の次の経営を担う人材のプロファイリング(人物像の策定)をしていく作業です。
 こうしたプロセスをご一緒していると、ある共通点に気づきます。それは、経営トップが人事部(人材開発部)を使いこなしている点です。人事が経営トップに直結しており、どこに、誰がいるのか、個人名で把握しているのです。一方で、あまり上手くいかないケースは、どちらかというと企画部が全体を仕切っており、人事は制度人事のみを担当しているような会社です。トップ自身もあまり個人名には関心がない。機能で人を捉えている印象です。
 私が深くお付き合いさせていただいている経営トップの頭の中には、ある種の経営観があるようです。それは、『ある意味、戦略は誰が作っても、同じような内容になる。大事なのは、誰がその戦略を実行するのか?やりきる人材は誰なのか?』という思想です。この経営観は、「何を語るかよりも、誰が語るのかが大事」という極めてシンプルな話と相通ずるものがあります。次の時代の経営を自分ゴト化できる人材、表面的な頭の賢さや器用な立ち回り力ではなく、いかに想像力の逞しい人材を発掘できるかどうか、これが私の仕事の鍵なのです。

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