- 組織の中の見えない壁:タテ・ヨコ・ナナメ
- 2012.08.04
組織の中で対話の場を設けていると、いろいろな組織の中に存在する見えない壁が言語化されてきます。一番多いのは「ポジションの壁」です。立場・役割が違うために生まれる意識の壁。ピラミッド組織である限り、やむをえない壁です。次に多いのは、「専門性の壁」です。最近は高度に専門化されて、細分化されて事業が展開しているので、他の部門の事業の前提や背景が見えにくくなっているのです。「ポジションの壁」が”タテの壁”とすれば、「専門性の壁」は”ヨコの壁”と言えましょう。
この”タテの壁”と”ヨコの壁”を溶かしていくのが対話の醍醐味とも言えるのですが、最近、どうも厄介なのは、「世代の壁」とでも呼べるような壁の存在です。組織の中に”ナナメに走っている壁”のようなもの。それは世代間に横たわる意識の断層のようなもので、これまでの社会人経験の違いから来ているものです。例えば、バブル時代を知っている世代、日系企業が世界を席巻していた時代を知っている世代と知らない世代の意識の差は、予想以上に大きいものがあります。何らかの形でバブル経済を知っている40歳以上の世代は、「自分たちの成功体験や持論を押し付けない」という自覚が、今後ますます求められるように思います。
「どこを継承し、どこは大きく変えていくのか?」 ”ナナメの壁”の両側で、それぞれの世代に問いかけが始まっています。
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