- 捨てる自分、活かす自分
- 2012.09.18
先日、久しぶりに50代の技能系ベテラン社員の皆さんたちと、対話ワークショップをやらせていただきました。
冒頭、事業本部長から、「グローバル・シェアN0.1を目指して、みなさんも一丸となって、頑張って欲しい!」と檄が飛びましたが、今ひとつ、反応が悪い始まり方でした。丁寧に声を拾っていくと・・・「工場閉鎖をしておいて、今さら、そんなこと言われても、関係ないよ」、「残り少ない期間を楽しくやりたい」、「もう無理はしたくない」、等々。いくら「べき論」で押しても、この世代の人たちを動かすのは難しいものです。「程ほどにやればいいか・・・」という誘惑には、50代を過ぎると、誰にでも抗し難いものがあるのでしょう。2020年には、「働く人の4人に1人が45歳~54歳という時代になる」という予測もあります。(ワークス研究所)
「先が見えていると思っている人たちに、どうやって最後まで完走してもらうのか?」
今後の組織マネジメントを考える上で、大きなテーマになってくるでしょう。経営者目線の「べき論」だけではなく、この世代の人たちにどうやってアプローチするのがよいのでしょうか。私の場合、非常にシンプルな信念があります。
「不平・不満の表明は希望の裏返しである」というものです。
不平・不満といった本音が十分に語れれば、本心が自然に立ち現れてくる。敢えて、会社や自分に関するタブーを話せる場を作ることで、「本心=希望」は紡ぎだされるのです。今回の場合、2日間を通じて、ご本人たちも、「できれば最後まで納得して働きたい」、「悔いのないように終わりたい」、等のコメントを話している自分自身に驚かれていました。
つまり、経験豊富な人の内面には、「捨てる自分」と「活かす自分」がある、ということです。
成熟した年齢層の方たちには、「「捨てる自分」と「活かす自分」の両方があっていい」ということを前提に、アプローチすることで、無理のない自分の活かし方が自然に見えてくるようです。ある参加者の方が、「自分の弱点がよく見えましたよ」と笑って帰って行かれた姿が、とても印象的でした。
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