- なぜ経営トップに対する最終発表は、上手くいかないのか?
- 2013.11.03
選抜型研修のピーク・シーズン真っ盛りです。多くの選抜型研修では、経営知識のインプットから始まり、時にはリベラル・アーツにも触れつつ、最終的には経営トップへの提言という最終発表という形をとります。経営トップが満足して終わる最終発表と叱られ終わる発表、大きな溜息で終わる発表など様々です。最終発表の成果が目的ではありませんが、やはり受講生の達成感は、発表を受けとめる経営トップの反応に大きく左右される点は否定できません。その違いはどこにあるのでしょうか。
与えられたお題に対する経営提言は、概ね失敗します。M&Aの提案、組織の機構改革の提案など、既存路線の延長線上にある、改善レベルの提案はトップをがっかりさせます。そんなことは受講生の何倍も情報を持っており、何倍も常日頃から考えているからです。何よりも、自分の現在の経営路線を否定されるように映ってしまい、人によっては、途中で激怒されます。
まず事務局として、プログラムデザイナーとして、押さえておく大前提は、「研修の最終提案は業務報告ではない」ということです。通常の業務モードになってしまったら、そもそも研修をしている意味がない。通常の業務報告、業務会議では話せないことをトップと参加者の間でやり取りできること、そこに選抜型研修の最大の面白さがあるからです。
とすると、具体的にどういう観点で、最終発表をデザインするとよいのでしょうか。
やはり、まずはトップと目線を合わせることです。トップの問題意識を理解し、それを中堅若手のしがらみのない視点で、現場を知っている人間だからこその視点で、課題をずらせるか?その「ずらし」がトップの「おや?」を生むのです。
さらに、受講生自身がこの研修を通じて、どう変化したのか。それを受講生がリアルに葛藤を交えて、自分の言葉で語れる場を作れると、トップと受講生の間に、不思議な共感が生まれてきます。
外部の戦略系コンサルの言われるままに経営提言して褒められる時代は終わりました。第三者の外部の視点だけではなく、当事者として、自分ゴトとして、どれだけ自分たちの会社の経営を語れるのか。経営トップはそのような人材を待望しているのです。
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