今年度を総括するにあたり、ひとつの仮説を共有します。

「強い組織力を持っている会社は、合宿文化があるのではないか？」という仮説です。

今年、担当させていただいた数社は、偶然ですが、まさしく、この「合宿文化」がありました。何か議論のすれ違いがあったり、背景が共有できないと、誰からともなく、「メンバーで合宿しようか？」という話が出てきます。「合宿」というのは、一泊二日で、特定のテーマについて、釜の飯を共有しながら、ワイワイガヤガヤ、議論することです。それは、オフサイト・ミーティングというような綺麗な話ではありません。もっと生々しい、本音のやり取りです。まず事実認識から徹底的にすり合わせ、その問題をどうしていきたいのか、「私」を主語にして語る。まさしく経営の自分ゴト化を経て、全社視点での「問題の課題化」が行われています。

組織的な問題に直面したとき、「合宿」を通じて、まずメンバー間の一体感を醸成する。それから初めて、問題の核心に踏み込む。強い実行力を持っている組織は、組織的な問題解決の手法として、「合宿」という手段を持っているのです。細分化され、部分最適に陥りがちな組織環境では、シンプルで昭和的ですが、とても有効な手段のように思います。