- 人材開発部の役割とは?
- 2014.10.27
最近、企業の人材開発系の勉強会で、お話をさせていただく機会がありました。
その内容は、ずばり、「人材開発部の役割とは?」です。敢えて、ひと言で述べるならば、「人材の発掘」だと思います。
組織の中には、改革のネタを持っている中堅、想いのある若手が必ずいます。ただ、残念ながら、そういう潜在人材、いわば異端者は孤立していることが多く、なかなか組織の表舞台に出てこない。もしくは最初からエース級の人材は、部門やカンパニーが抱え込んで、手放さない。
人材開発部の役割は、研修という演出装置を通じて、そういう人材を発掘すること、さらに、そうした人材同士をつなげていくことだと思います。人材開発部自体が、人材育成を部門任せにせず、全社視点に立って、人材のフラグを立てて、育成していくことが必要です。
しかし、現実には、限られた陣容と予算の制約の中で、研修ベンダーの選定やルーティンの研修運営業務で手一杯、という会社が多いのも事実です。人材開発が本来の役割を担うためには、年間ひとつでも良いので、自ら企画・デザインした選抜研修を実施できるか、それが最初の一歩だと思います。実施にあたっては、どこまで現場に入り込んで、研修の意義を説いて、参加者を自ら選べるか、ということです。人材開発の本気が問われています。
人材開発担当者自身のプロフェショナル化はもちろんですが、経営トップの理解も不可欠です。私自身、経営トップとのエグゼクティブ・コーチングを通じて痛感するのは、日系の経営者は、企業内研修を組織経営のツールとして、あまり認識していない点です。最近、注目を集めているOD(組織開発)ですが、トップの意志がないところでは、ODは機能しません。人材開発は、経営企画と連携して、トップ自身の認識を変える働きかけも必要です。
いよいよ企業間の競争は、技術の競争から、組織能力の競争、すなわち人材の質の競争になってきました。今、攻めの人材開発が求められているように思います。
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