- 経営の自分ゴト化
- 2015.07.26
15年度企業研修は上期のピークを迎えつつあります。今年度の特徴は、「次々世代経営者の選抜&育成」です。早いところでは30代後半から、遅いところで40代半ばという感じでしょうか。リーマンショックを勝ち抜いた経営者が、いよいよ経営のバトンを渡す段階になり、自分の体験と経営思想を引き継いでくれる世代を単純に次世代だけではなく、次々世代に求めている点が特徴です。ポスト2020年を睨んだ動きとも言えましょう。
40歳前後の対象者は就職氷河期の世代ですから、部下を持った経験、マネジメント体験があまりないと言われています。またプロパー社員が十分にいないところでは中途採用者が中心となっており、会社のDNAを十分に理解していないと言われています。こうした対象者に対して、何をメインに伝える必要があるのでしょうか。MBA的な思考やスキルを学ぶ前に、何よりも大切なことは「経営の自分ゴト化」だと考えています。もう一歩踏み込んで言えば、「自分たちの世代の飯の種はどうするのか?」という切実なテーマを我事として考える切実感を醸成することが不可欠です。
研修に参加して、与えらえたテーマをこなせば子会社の経営者くらいにはなれるだろう、という甘い考えを打ち砕くこと。研修と実務を切り分ける、研修で学んだことと実務は別という安易な発想を打ち砕くこと。そして、経営者とマネジャーには決定的な違いがある、根本的な発想の切り替えが必要になってくること植え付けること。こうしたメッセージをハイポテンシャルの参加者に届けることが、外部の人間としての役割だと認識しています。
ハイポテンシャルの人間を意図的に育成する。「自分が会社を背負んだ」という自覚を持たせることは、早いにこしたことはありません。未だ早期選抜は平等ではない、選ばれなかった人のモティベーションをさげるかもしれない、といった理由を挙げる会社も散見されますが、そうした議論をするタイミングは既に終わっているように思います。
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