- 被災地からの教訓①: 与えるー与えられる関係を越えて
- 2011.09.20
先週、東京のシンクタンクの研究員の方たちに同行して、被災地の約300キロを取材してきました。震災後6カ月経った現時点ので被災地の現状を多面的に把握すべく、各地域のコミュニティでリーダーとして活躍されている方を中心にお話を伺いました。
最も印象的だったのは、街を挙げて復興が進んでいる地域とそうでない地域の格差、温度差がかなりあることでした。その背景には、「与える-与えられる」関係だけの被災地支援は、どうも上手くいっていない。極端な表現かもしれませんが、「与えるだけの支援は、その地域の主体性を潰してしまう」、そんな印象さえ持ちました。発展途上国の開発支援と同じような現象です。(学部生時代の専門は、開発援助論でした。そう言えば・・・)
一方で、うまく行っている地域は、当事者と支援者の共鳴が起きていました。
「あなたがいたから、この6カ月、やってこれましたのよ。」
「いや、あんたが朝8時に来るだろうと思って、逃げられなくなって来てただけですよ、実は・・・。」
お互いがお互いを支え合っておられるのです。
ある地域のリーダー役を担っておられる僧侶の方が、こう言っておられました。「福祉と言う言葉には、二面ある。福を授ける側に福があり、福を受けとめる側にも福がある」と。なるほど・・・。「供養」と言う言葉にも、同じ側面あるそうです。「供養する側と供養される側、共に養われるのが、供養である」と。与える側と与えられる側は、渾然一体となって、支え合っているんですね。大乗仏教の奥深さを教えられる言葉です。
「与える-与えらる」だけの関係をシャッフルし、お互いが互いの可能性を引き出しあい、エネルギーの交流できるような関係性を作る。まさしく場づくりの実践知を垣間見せていただきました。
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