- 選抜型研修の光と影
- 2013.09.22
今年も、数社の経営幹部養成を目的とした選抜型研修をお引き受けしています。最近の選抜型研修は、従来のミニMBAコースとは異なり、第一線の経営コンサルタントから実践的な経営フレーム・ワークを学んだり、著名な経営者を多数招聘し、実例に基づく質疑応答、さらにはその内容を自分ゴト化するために、対話を併用する形が一般的です。最近では、ここにリベラルアーツと呼ばれる教養科目(哲学、国際政治、物理学、宗教論、民俗論、脳科学等)も加わって、非常に知的好奇心が刺激される場が生まれます。いかに経営者としての視点や視野を広げるかに力点が置かれているのです。
そうした研修が、実際どれだけ受講者の役に立っているのか。その個人的な判断基準は、単に本人の視点や視野が広がるだけではなく、経営者候補としての覚悟が身につくのかどうかだと思います。その覚悟とは、数千人、数万人におよぶ従業員とその家族、さらには関係者の生活を背負っている自覚です。
急速に経営者候補としての自覚を高めていく人は、研修内容と現実(現場での実務)の矛盾、取り扱っているレベル感の違いによる矛盾に悩みながらも、いつか自分が経営者になったら・・・との想いで、その矛盾を引き受けようとしているようにみえます。一方そうでない人は、単純に研修は研修と切り分けてしまう。もしくは、研修モードのままで、現場を見下してしまう。そんな傾向があるようです。受講生が研修の場と現実の往復運動ができるような場、筋トレの場を作るにはどうしたらよいのか、私自身も模索しています。
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