- 現地ローカル・スタッフ向けワークショップ
- 2015.05.04
GWを利用して、マニラにある日系メーカーの工場に伺いました。新規工場において、マネージャー候補の現地ローカル・スタッフに対して、マネジメントの自分ゴト化を加速する目的です。
100%英語によるファシリテーション、日本人はゼロ、第二外国語同士のやり取り、という条件なので、微妙なニュアンスが伝えきれるかどうか、始まるまでは不安でしたが、何とか無事に乗り切りました。久々の修羅場体験でした。お互い70%くらいの理解度の中でのやり取りでしたが、クオリティの面では、ほぼ日本で実施する場合と変わらず、という印象です。フィリピンという国民性なのか、純粋で前向きな参加者が多くて、助けられました。
今回のワークショップを通じて判明したことは、ローカル・スタッフと日本から派遣されているマネージャーの心理的な距離感です。工場の立ち上げ期ということもあって、ローカル・スタッフはそれなりに現場のグリップはできている。しかし、日本人マネージャーとの距離感があり、意思疎通はあまり上手くいっていない。現地法人の日本人社長は、これまでも新興国でいくつも工場の立ち上げ経験のある方だったので、その点は認識されていたのですが、対話を通じた見える化作業の結果を見て、ご自身の感覚の正しさを再認識されていました。
で、どうするか? ここでローカル・スタッフに日本人マネージャーとの距離感を詰めろ、と言ってもそれはさすがに無理な話。日本人側から歩み寄る必要があるのです。一方、日本人マネージャーは、多忙な立ち上げ期で、本社との調整もあり、現地スタッフの育成までには手が回らないというのが、正直なところ。しかし、あと3年もすれば、主導権を現地スタッフに渡すことは不可欠です。
ひとつのアプローチは、部長層の役割更新です。当面、部長が現地スタッフと日本人マネージャーの間に入って、距離と詰めていく。その過程で、マネジメント感覚のあるローカルスタッフを早目にマネージャーに昇格させていく。こうした方向感が現地トップ・マネジメントとの間で、確認できました。
新興国の最前線で、グローバル競争と奮闘されている現地法人社長の姿が何とも美しく、その男気に打たれました。改めて、深く敬意を表したいと思います。
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