お知らせ&実践研究レポート

問題との距離を取る
2011.08.09

ワークショップの場でも、個人セッションの場でも、問題がうまくほどけない場面に遭遇することがあります。

本人ばかりでなく、周りのメンバーも、時にファシリテーターである私自身も、問題の物語に巻き込まれてしまう場合です。ご本人が問題の物語にはまってしまっているのはやむを得ないことですが、ご本人から提起される問題が身近な問題であったり、ホットで魅力的な問題であったりすると、当事者以外のメンバーまで当事者の気分になってしまいませんか。そして、同じ問題解決のループに入ってしまうのです。その結果、かえって問題を固定化してしまう場合がよくあるように思います。

問題を本人が語りなおす。その行為の最大の意味は、ご本人が客観性を取り戻すことにあるのではないでしょうか。問題を他のメンバーに語りなおすことで、少し問題との距離を取りなおし、立体的に問題を再認識できるようになる。そうすることで、初めて厄介な問題にも、自らアプローチするルートが見えてくるように思うのです。

問題が複雑で、膠着状態に陥ってしまったと思ったら、まずは周りの人間が、問題との距離を取りなおす。そんなリセットする勇気を発揮できたら、ご本人の煮詰まり感も緩和されて、意外と突破口が生まれる。そんな気がしています。

 

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