お知らせ&実践研究レポート

今年度の総括
2012.03.09

ようやく今年度の研修ワークショップを全て完了しました。80日のワークショップを通じて、約1600人の方々と出会った計算になります。

テーマとしては、合併統合後の融和、研究開発のモティベーション回復、グローバル人材の育成、現場の技能伝承、などと、ずいぶん多岐にわたりました。年齢別には、若手選抜の20代、中堅マネージャーの30代、役員候補の40代、技能伝承の50代と、各層の方々とまんべんなく対話を繰り返してきました。立場や役割を超えて、個人として深く出会う中で、今、日本の組織が直面している課題を再認識できたように感じています。

現在、日本の組織の中では、例えて言えば、4つの部族が存在しているようです。バブルを知っている世代、ポストバブル世代、就職氷河期世代、平成バブル世代。そして、今、新たに「ゆとり世代」。世代の区分そのものにあまり意味はありませんが、大事なことは、組織としての「一体感」、私の表現で言えば、「共通感覚」を感じにくくなっている、という事実です。いくら組織的課題を論じても、なかなか背景を共有しにくい現状があるのです。ぞれぞれの部族で依拠している「尺度」が違う、そんな感じでしょうか。

このように、もし組織の中に「断層」が生まれているとすれば、今後の人材育成、組織開発は、ますます困難になっていくと思われます。特に、人材育成の観点では、日本的なOJTはますます機能しなくなるでしょう。損得(メリット・ディメリット)以外のモノサシ、共通の尺度をどのように伝承し、共有化することができるのか。来年度は、このあたりのテーマを、個人的に追っかけてみたいと思っております。ぜひ、みなさんと意見交換させていただきたいと願っています。

 

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