- やはり、「べき論」だけでは、人は動かなかった。
- 2013.04.04
Blogの更新がなかなかできず、申し訳ありません。
年度末にかけて、様々な対話の場を経験させていただきました。中でももっと印象に残っているのは、某社トップ経営陣のオフサイトミーティングのファシリテーションです。
オフサイトの目的は、経営トップと一般取締役との温度差、目線の高さの違い、判断の尺度の違いをどうすり合わせするかが、最大のテーマでした。当然、経営陣は分たちの会社はどうあるべきか、会社の経営とはどうあるべきかを、日々、真剣に考えておられます。経営会議を通じて、「べき論」では一致しているのです。しかし、いきなり解決策を議論するのではなく、まず、お互いの問題意識を丁寧に広げてみると・・・。なんと、表面上は同じテーマを話しているようでも、実は本当に話した方がよいテーマが話されていないことが明らかになっていきました。
そこで、「智慧の車座」の前半部分を使って、経営の問題を改めて自分の言葉で語り直していただきました。すると「問題の課題化」、つまり、問題の自分ゴト化が一気に進むのです。やはり、語りの主語が自分になり、自分たちになり、文末が「~したい」に変わっていきます。その「したい」ことに取り組むために、自分は、自分たちはどうするのか。それこそが真のテーマなのです。やはり、経営は損得レベルだけの話ではなく、潜在欲求と実現意志の領域にありました。
今回の大きな発見は、仕事ができる人は自責思考が強いという傾向です(仕事ができるから役員になっているので、当然と言えば当然ですが)。しかし、今、経営者として自分ができていないことを単純に個人の能力の問題に還元してしまうと、大きなコトが進みません。個人レベルでとらえるのではなく、経営チーム全体のテーマとしてどうするか。つまり、相互支援と役割補完の文脈で、各取締役メンバーの役割認識を捉え直すことこそが、場の反転のポイントであったのです。
企業研修とはひと味違う真剣勝負の場。かなり身体的には疲弊しましたが、爽やかな爽快感が残っています。
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