お知らせ&実践研究レポート

社会を影で支える土木技術者たち
2013.04.06

最近、大手建設会社の若手土木技術者のみなさんの発想を柔らかくするワークショップを連続で開催しています。対話のストーリー(物語)を活用した、着想のトレーニングです。

彼らの現場の話を聴いていると、いかに社会が土木の技術に支えられているかを実感します。土木技術者たちの汗と涙のストーリーは、基本的に地面の中での活動ですから、あまり表にはでてきません。社会インフラは事故がでなくて当たり前、事故があれば、過失だ、手抜きだと、さらには談合だ、と大手マスコミ(特にA新聞社)は騒ぎ立てます。しかし、それを黙って受け止め、黙々と自分たちの仕事をしている人たちがいることに、思わず頭が下がります。

彼らは、311の復興、笹子トンネルの崩落、そうした事故から、なんとかいち早く復旧するために、例えば、「工期半分・コスト半分にできる」技術を生み出せないか、日々、智慧を絞っています。また単に技術面だけでなく、若いながらも現場作業員の人心を把握して、工事を完工させよう取り組んでいます。今どきの若い世代に珍しく、純粋でひたむきな姿勢を感じます。昔から、水を治める者は天下を制す、治水の要は天下の要、とされてきましたが、それを現在も実際にやっている人たちなんですね。最近では珍しくなってしまった、人を大切にする組織文化(男気)を肌で感じて、思わず嬉しくなります。

そんな若き技術者の人たちと、「なぜなぜ」をひたすら繰り返すことで、かえって問題を複雑にしてしまう問題解決思考とは異なる発想法、言わば、”ストーリー思考”を一緒に開発していくプロセスに、とてもやりがいを感じています。

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